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江戸の日本刀

新刀、新々刀の歴史的背景

江戸の日本刀
著者 伊藤 三平
ジャンル 歴史・その他 > 歴史
出版年月日 2016/12/25
ISBN 9784885945021
判型・ページ数 A5・376ページ
在庫 在庫あり
 

目次

     ── 目 次 ── 

 伊藤三平氏の著書を祝う 東京国立博物館名誉館員 小笠原 信夫
 はじめに

1章 江戸時代における刀剣の位置づけ
 (1)武器としての刀剣 ─集団戦ではなく個人戦の武器─
 (2)身分制の象徴としての刀剣
 (3)日本人としての刀剣愛好
 (4)贈答需要に不可欠な刀剣
 (5)趣味としての刀剣愛好

2章 江戸時代の武士にとっての刀剣使用

3章 刀鍛冶は城下町に ─刀剣の製産地─
 (1)国役御用の刀鍛冶
 (2)幕府および各藩の抱え鍛冶

4章 剣術諸流派の勃興と停滞 ─江戸時代前期〜中期の剣術の流れ─

5章 辻斬り横行の時代

6章 試刀家の出現

7章 江戸時代の人口推移

8章 江戸への刀鍛冶の流入

9章 寛文新刀の出現

10章 幕府・藩の財政状態と武士の困窮

11章 元禄から享保の刀剣界の衰退

12章 享保の改革と「享保鍛冶改め」、「享保名物帳」
 (1)享保の改革と「享保鍛冶改め」「享保名物帳」の位置づけ
 (2)「享保鍛冶改め」
 (3)「享保名物帳」

13章 享保以降の治安の悪化
 (1)百姓一揆、村方騒動、都市騒擾
 (2)対外危機意識

14章 寛政の改革と刀剣
 (1)寛政の改革の前奏 ─田沼時代と田沼折紙─
 (2)寛政の改革と刀剣界
 (3)藩校の設立ブーム
15章 水心子正秀と新々刀 ─復古刀の提唱─

16章 花開く水心子正秀の弟子たち

17章 水心子正秀は江戸の産業ルネサンスを担った一人

18章 江戸の啓蒙主義・サロン文化 ─刀剣ジャーナリズムを生んだ背景─
 (1)徳川啓蒙期の旅日記
 (2)水心子正秀と高山彦九郎との交流
 (3)江戸のサロン文化
 (4)身分の高い武士の刀剣への関心

19章 刀剣ジャーナリズムの拡大

20章 正秀弟子の巨星・大慶直胤 ─旅の時代を生きる─
 (1)江戸時代後半は旅の時代
 (2)大慶直胤の旅
 (3)旅する大慶直胤と川路聖謨との交流
 (4)多方面に活躍する大慶直胤

21章 天保の改革と剣術の流行

22章 庶民への剣術の広がり

<参考> 江戸時代の剣術の歴史と砲術の歴史の相似性

23章「身上がり願望」 ─武士身分への登用、刀工の受領、御抱え鍛冶─
 (1)武士身分への登用
 (2)刀鍛冶の受領銘
 (3)御抱え鍛冶への道
 (4)左行秀の身上がり

24章 切れ味重視の動き ─試刀家・山田浅右衛門と固山宗次─
 (1)山田浅右衛門家と影響力
 (2)山田家の試刀を重視した固山宗次

25章 荒試し ─松代藩・山浦真雄、水戸藩・勝村徳勝、松江藩・高橋長信─

26章 源清麿における切れ味追求 ─幕臣・窪田清音と兄・山浦真雄の影響─
 (1)窪田清音の略歴
 (2)山浦真雄と窪田清音から受け継いだ作刀理念「折れず、曲がらず、よく切れる」
 (3)清麿の鍛法の工夫

27章 いつの時代にも大切な芸術の支援者 ─清麿の場合─
 (1)清麿の江戸出府
 (2)清麿の長州行きと窪田清音の天保の改革での失脚
 (3)長州藩側の事情
 (4)幕臣や市井の有力者の支援

28章 武器講

29章 江戸時代の貨幣・収入単位と物価水準、新々刀の価格
 (1)江戸時代の貨幣制度
 (2)江戸時代の知行制度
 (3)江戸時代の米価(物価)の変動と現在価値
 (4)江戸時代の刀価と現在価格

30章 刀が実戦に使われた時代 ─万延・文久のテロリズム─

31章 幕末の動乱、戊辰戦争と刀鍛冶

<参考>新々刀期に江戸で活躍した主な鍛冶の年表

32章 廃刀令後の刀鍛冶の転身

33章 帝室技芸員制度と日清戦争後の軍刀需要 ─近代刀期へ─

 あとがき

<参考> 日本刀の用語解説

 おもな参考文献


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内容説明

伊藤三平氏の著書を祝う  東京国立博物館名誉館員 小笠原信夫

今までの刀剣専門書と異なり、とくに「新々刀」といわれる刀剣が幕末時代に隆盛した歴史性に絞って、画期的な視点から論述されている。

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